東海日本語ネットワーク(TNN)

日本語活動 Q&A - 運営に関するもの

質問の詳細と回答

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01 個人的に教えるときの場所の確保は?
質問

個人的に教えてと学習者から言われたが、場所が確保できない。どのように場所を探したらいいだろうか。公民館などの公共の場所は個人で借りることができるのだろうか。

回答

いくつか例を挙げますと、昭和社会教育センター(052-852-1144)では、大きな部屋から小さな部屋まで、利用する人数に合わせて借りることができるそうです。その場合、前もって空きがあるかを電話等で確かめ、直接窓口まで申し込む必要があります。

また、図書館の場合、例えば熱田図書館では、社会教育の目的で借りることができますが、やはり人数の多い団体が優先的に借りることになりますので、個人授業では借りるのは難しいかもしれません。しかし、ある程度の人数であれば、このような図書館にも問い合わせてみたらいかがでしょうか。
その他、公民館もタウンページの「公民館・会館」の欄に数多く掲載されておりますので、そちらをご参照ください。また、このような公民館のロビーを使用するのも一案です。

 

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02 行政の協力を得るには?
質問

私たちは郡部で活動していますが、町役場の方はまったく無関心で私たちのボランティア活動もサークル活動の一つとしてみているだけです。教室を借りるのにも特別の配慮をしてくれるわけではありません。だからいつも同じ部屋が借りられるとは限らないのですが、場所が変わると学習者は来なくなります。教室のPRのビラを作っても物陰で人目につかないところに置かれているありさまです。役所の人にもっと理解してもらうにはどうすればいいでしょうか。

回答1

お手数でも根気よく何度でも町役場に出かけ、係の方に会って、日本語教室の必然性をよく説明して、理解してもらうように努力するしかありません。学習者と一緒に行って彼らの声を直接聴いてもらうのも、よいのではないでしょうか。また、町役場でも何人か複数の人に話してみれば、一人や二人は理解を示してくれる人がいると思います。それでも駄目なら町長に直談判してはいかがでしょうか。もし町長が地域の国際化に関心があれば、強い味方になってくれるかもしれませんよ。

回答2

マスコミにアピールするのはどうでしょうか。例えば、教室に取材に来てもらうのです。教室の様子を写真にとって説明の文章とともに取材の依頼をしたらどうでしょうか。あるいは、町の広報誌に載せてもらうよう交渉する手もあるかもしれません。要は、私たちの活動を広く知ってもらうことが役場を動かすのに役立つと思うのですが。

回答3

教室で何かイベントをやったらいいと思います。外国人と日本人に声をかけてバーベキューをするとか。その案内を町の広報誌に載せてもらったり、バーベキューの様子を広報誌に載せてもらったりして町全体に関心を持ってもらうといいと思います。

 

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03 マンツーマン方式の運営方法や引継ぎはどのように?
質問1

私たちの教室ではマンツーマンの方式で授業をしていますが、毎回外国の方と講師の組み合わせが変わります。連絡ノートを作っていますが、どうも授業がスムースにいかないことが多くて困っています。他の教室ではどのようにしてマンツーマンの授業をなさっているのでしょうか。問題はないのでしょうか。いいやり方があれば教えていただきたいのですが。

回答

マンツーマンの方式で授業をする工夫。学習する前には必ず準備が必要です。場当たり的に、その日の都合で組んだペアで学習をする,何となく時間が過ぎてしまったというのでは、満たされないものが残ります。有意義な時間を共有するためにも、下記のような準備をしましょう。

1.目的は何か。

外国の方(学習者)は何がしたいのか。どんなことが目的で、この教室に参加したのかなどを把握します。言語によっては初日に意志の疎通が図れない場合もありますが、通訳を頼んだり、配慮を心がけたり、様子を見ていると把握できると思います。

2.学習計画を立てる。

目的が決まれば、タームごとの学習計画を立てます。その計画はボランティア(講師)もわかるように、一覧表にしておきます。例えば、教科書や問題集を進めていく、コピーしたプリントや新聞を使うなどですが、教材やテーマ・頁を書いておくのです。それらは、外国の方(学習者)とできれば話し合って決めることです。そして、受け身ではなく常に意識化してもらうことがポイントです。また、都合で計画が変更になっても、柔軟に対応できるところがマンツーマンの良さです。

3.教室で対応できること。できないこと。

ボランティア(講師)は、どんな教え方ができるのか。何ができるのか。無理をしないで学習を進めるには、自分の得意な分野を生かすことです。例えば、仮名や漢字を教えるのが得意とか、社会全般・政治経済の話なら得意とか、入門初級レベルの人が教え易いとか、事前にコーディネイトする人に言っておきましょう。そして、それをお互いに認めあうことが重要です。ですから、その日のペアが途中で変わってもいいのです。また、少ない時間でも、全体で集い意見交換の時間を持つことが大切です。

さらに、連絡ノートのことですが、何をしたかという記録を残すことは、教室にとって後々助かるものですが、学習者の様子や次の学習への要望・連絡を書いたり読んだりすることは意外と面倒で負担になったりもします。必要な場合は、チェックシート式に作っておけば時間がかかりません。学習計画表とあわせて記入できるものも便利です。

あくまでも、外国の方(学習者)の自学学習をサポートする姿勢が大切です。決して管理をしたり授業中心に偏ったりするのではなく、全体で楽しむ活動も工夫しましょう。

質問2

私は自分の担当授業になると、前回の授業を受け持たれた先生が何をどの程度まで教えられたのかも分からず、とりあえず自分の担当箇所を教えるだけなのですが、学習者の方は前回の内容について理解していない場合があります。今後は、他の先生方とも相談しながら授業を進めていった方がいいのではないかと思うのですが、他のボランティアの皆さんはその点についてはどのように工夫されているのでしょうか。

回答

連絡の仕方としては、直接ボランティアの研修会の機会などに連絡する、学習者の個人カルテ、授業記録などに書き込んで、次回の担当ボランティアが当日授業前にそれを見る。またはその記録のコピーを次回の担当ボランティアに数日前までに郵送する、など教室によって様々な方法が採られているようです。個人カルテや授業記録を作っている教室が多いようですが、書くスペースが少なくて、学習者の様子、理解度などを細かく伝達できていない、という声も聞きます。

そこで提案ですが、予めチェックする項目を幾つか作っておいて、そこにチェックすればいいようにする、そしてそこに書ききれないことについては、最後にコメントをするスペースを作る、というふうにしたらどうでしょうか。またその内容も、挨拶、時間の言い方、依頼表現などの学習項目だけでなく、授業の雰囲気、問題になったところ、学習者が興味を示した話題、活動などを記録することも重要かもしれません。
これを機に、一度、今採っている連絡方法を見直してみてください。

 

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04 ボランティア間の交流をどのように?
質問

ボランティア間の交流についてお尋ねします。日本語教室に参加しても、週1回の授業の時しかボランティア同士顔を合わせることがなく、話し合う機会がとても少ないのが現状です。授業の前後にミーティングをする時間も取れず、談話やファックスで簡単な連絡を取り合っている程度です。もう少しボランティア間のコミュニケーションをよくしたいのですが、何かよい方法はないでしょうか。

回答

教室によってボランティアの参加形態が異なるとは思いますが、こんな方法はどうでしょうか。

1.学習者のカルテを作る。指導内容、反省点、気付いた点などを授業後記入するようにする。簡単なメモ程度でもよく、それを誰でも見られるようにしておく。

2.参加ボランティアの声をまとめるコーディネーターを配置。教室内の情報を集め、全員に伝える。ニューズレター(のようなもの)を作り、配布してもよい。

3.月1回でも、とにかく時間を作りミーティングをする。欠席した人にも必ずミーティングの内容を知らせる。

ボランティア間のコミュニケーションを図ることは、教室運営をスムーズにするためには必要不可欠なことです。各人が抱えている悩みをお互いの問題として考えたり、情報を提供したり、教室の方針を再確認したりと、教室活動の中ででてくるさまざまな問題を解消するのに、ボランティアの交流なくしては教室は成り立たないと言っていいかもしれません。ボランティア同士でコミュニケーションがとれない状態で、学習者とのコミュニケートは果たしてできるものでしょうか。教室活動に学習者の意見が反映されるのでしょうか。参加しているボランティアの方には、自分の担当している学習者のケアだけでなく、教室全体を意識した活動をお願いしたいものです。

 

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日本語教師養成講座修了者との付き合い方
質問1

日本語教師養成講座を修了して、ボランティアとして参加される方が多くなってきました。熱意があってありがたいのですが、「教えよう」「教えたい」という気持ちが強すぎるのか、講座で勉強したことをそのまま持ち込んで、文法用語を多用したり、「こう教えるべきだ」との主張が強かったりと、スタンドプレーが目立ちます。かといって、授業をまかせると音を上げてしまう人もいたりで「扱いにくい」というのが正直な感想です。ボランティアとしての意識に欠けているのでは、と気になります。知識も大切ですが、ボランティアの役割というものを認識してほしいと思っているのですが、こういった人たちにはどのように対応していけばよいのでしょうか。

回答1

新しいボランティアを受け入れる人のために日本語教室に関わって10年になる1ボランティアです。お役に立つかどうかわかりませんが、私の参加している教室のことを話してみたいと思います。

私たちの教室でも、ボランティアの多くは何らかの日本語教師養成講座を修了しています。新しいボランティア希望の人の加入時、教室の概要を記したものを渡し、学習者のこと、現在の教室の情況、ボランティアへの要望なども合わせて伝えます。今まで養成講座で学んだことは日本語の教え方のひとつの側面でしかないこと、むしろ、学んだことを一度捨てて、学習者がどんな人たちなのか、何を必要としているのか、自分の目で新しく見てほしいということを必ず話すようにしています。そのあと、各クラスの見学、時としてアシスタントの経験をしてから、ボランティア登録してもらうことになります。

この段階で様々な理由で登録しない人もいます。ご自身に合う別のグループを探したり、いっそのこと新しく教室を開いたり、日本語ボランティアとして活躍の場はいくらもあるわけですから?

クラスを担当してもらった後に「扱いにくい」と悩むより、それぞれの教室が積み重ねてきた大まかな方針を予め伝えて納得の上、新ボランティアの参加を仰ぐ方が合理的だと思うのですが、いかがでしょうか。

長く参加しているボランティアのやり方を押しつけるということではなく、それぞれの教室でわずかでも積み重ねてきたものをベースにすることは間違っていないと思います。教室運営に新しいボランティアの意見を反映する機会は、参加後いくらでもありますし、活力ある教室にするために、より多く話し合いたいものです。

私たちの教室では2ヵ月に一度全員参加のボランティア例会を開き、ボランティアひとりひとりが同じ立場で意見を交換しています。クラスの枠をはずした目的別クラス(文法、会話、英会話、ワープロなど)を情況に応じて始めたり、イべントを企画したりしており、それには新しいボランティアも積極的に参加しています。

回答2

養成講座を終えたボランティアのために 回答というほどのものではないのですが、日本語教師養成講座出身でおそらく「扱いにくい」と思われていたであろう1ボランティアの立場からの感想です。

私も5年前に日本語教師養成講座を修了しました。ボランティアに参加しようと思ったのは、もちろんボランティア活動そのものに関心があったからです。でもそれだけではなくて、すぐには非常勤などの仕事が見つからなかったので、とにかく現場で経験を積んで勉強したことを生かしたいと思ったからでもあります。2年間の勉強のあとなので、「日本語を教える」という自分を夢に描いていました。

ですから、初めてボランティア教室に足を踏み入れたときのショックは相当なものでした。「こんな無秩序な状態で、日本語がほんとうに上手くなるんだろうか」というのが正直な印象でした。一つの部屋の中に机がいくつかあって、数人のボランティアが学習者とそれぞれの場所で向き合って、それぞれ教科書を開いたり話をしたり、子どもが出入りしたりという光景を目のあたりにし、「教室には黒板があって、複数の学習者が先生に注目していて」「ひとつのテキスト、ひとつのカリキュラムに沿って皆で勉強する」のが教室というものだ、という私のイメージははかなくも初日で崩れ去りました。

しかしこのようなボランティア教室に通うにつれ、わかってきたことがあります。それは養成講座などで習う日本語の教え方や授業の形態は、日本語教育全体の「一部」にすぎない、ということです。また、ボランティア日本語教室での活動を養成講座で学んだ「日本語教育」の枠に収めることはできない、とも言えます。

ボランティア教室に通う学習者はもちろん日本語を勉強に来ています。でもそれだけが目的ではない、というのが何人もの学習者に出会った感想です。仲間と情報交換したり、家と職場を往復しがちな毎日で気分転換をしたいと思ってやって来る人もいます。「日本人と一緒に過ごして日本語を使いたい」という人もいます。いろんな人たちと話していて、「日本語を学ぶ」ということは、ボランティアや他の外国人と交流することの手段であるようにも思えてきました。自分が外国に住んでいたら「いろんな人と出会いたい」と思うのは自然なことです。そのきっかけをボランティア教室に求める人も多いのではないでしょうか(ですから、「日本語を教える」ことだけがボランティアのすることだと思っていると、私のように不意打ちを食らいます)。

教室に来る目的がいろいろであるように、学習者の皆さんの日本語のレベルや勉強したいことも様々です。ボランティア教室のいいところは、そのような様々なレベルや内容に対応できるところだと思います。これはまさに「一対多数」の教室形態ではないから可能なことです。だから最初「無秩序」に見えた教室の様子には、ちゃんと意味があったわけです。

正直言って「ああ、もっとこうすれば効率良く教えることができるのに」と思うこともあります。でもボランティア教室は先に書いたような役割も果たしているのだから、それぞれの人がそれぞれのペースで日本語を勉強していくのが一番いいのではないかと思うようになってきました。そのお手伝いをするのが、ボランティアの役割なのでしょう。

でもこのようなことは、何年かボランティアを(休み休みですが)やってみたから分かってきたことです。5年前に誰かに説明してもらってもきっとピンとこなかったと思います。ですから、養成講座を終えたばかりの人にはぜひ「辞めないで」ほそぼそとでも続けていかれることをお勧めします。そうしているうちにきっと、養成講座で学んだことも生かされるだろうし、また学べなかったことでいろんなことが見えてくると思います。

質問2

日本語教師養成講座を修了して、ボランティアとして参加される方が多くなってきました。熱意があってありがたいのですが、「教えよう」「教えたい」という気持ちが強すぎるのか、講座で勉強したことをそのまま持ち込んで、文法用語を多用したり、「こう教えるべきだ」との主張が強かったりと、スタンドプレーが目立ちます。かといって、授業をまかせると音を上げてしまう人もいたりで「扱いにくい」というのが正直な感想です。ボランティアとしての意識に欠けているのでは、と気になります。知識も大切ですが、ボランティアの役割というものを認識してほしいと思っているのですが、こういった人たちにはどのように対応していけばよいのでしょうか。

回答1

短い間しか活動をしない人は教室にとっては戦力にならないのに、お世話ばかりが負担になるというケース、結構あるんじゃないでしょうか。でも、つまりは、その方たちが来なくなってしまうことが、困るのですよね。ということは、その方たちは教室にとってはそれなりに役割を果たしていたと言えるのではないでしょうか。卒業や日本語教師の仕事が理由でやめるのではなく、別の事情で辞めていく人もいますよね。そういう人たちには「利用された」と感じないと思います。日本語教師の仕事をする人にとっては活動していたことがきっと役に立つでしょうし、学生さんにとっても、活動の経験はいつか社会に還元されると思います。私たちの活動は、突き詰めれば、社会全体を変えることをめざしているのですから、日本語教室はその人たちを通して大きな役割を果たすことになります。教室に来ることが困るのならともかく、やめることが困るのなら、短い間でも活動していたこと、その人たちを受け入れたこと自体を評価してはどうでしょうか。

回答2

学生が一定の期間しか活動に参加できないことも、教授法を勉強した人がやってみたいと思うことも当然だと思います。教室に若い人がいると、活気が出てきますし、続けて来てくれる人もいます。彼らにとって、ボランティア活動をしてみることはよい経験ですし、いつか時間にゆとりができた時にまた始めてくれるかもしれません。受け入れる時にお互いの条件を確認したらどうでしょうか?ボランティアを育てることも広い意味でのボランティア活動だと考えます。

回答3

そういう人、私の教室にもいます。学生たちはキャーキャーと自分たちだけ盛り上がっているし、教師予備軍は専門知識を振りかざして張り切るし、なんて、冷ややかな目で見ていました。私たちがこれまでやってきたやり方の影が薄くなってしまう気がして、やる気をなくしたこともありました。でも、ちょっと視点を変えて、たとえ短い間でも、短い間だからこそ、若さや専門性を生かして、しっかり働いてもらおうと思いました。これまでできなかったことをどんどん相談してみたら、新しい企画を出してくれたり、中心になって進めてくれたりしたのです。やめていくときには、本当に別れを惜しむ気持ちになりました。今でも、ときどき顔を出してくれる人がいます。きっかけは、どんな目的であっても、一緒に活動していく間に、仲間なんだと思うようになりました。

 

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06 学習者が減ってきたのですが・・・
質問1

日本語ボランティア教室で日本語を教えています。私達の日本語教室の生徒さんの人数が最近段々減ってきています。どうも別の日本語教室に行っているみたいです。私達の教え方が悪いのか、色々原因を考えていますが、はっきり分かりません。人数を減らさないで教室を維持していっている他のボランティアの皆さんは、どのようにやっていらっしゃるのでしょうか。

回答1

学習者が減ったのは、教え方に問題があるのではないかと反省されるのは当然のことです。でも私にはそれだけでなく、教室の形態といったことも気になります。例えば教室のある場所は、開かれている時間帯は、集まってくる学習者の傾向は、教えるボランティアのかかわり方は等々。こういったことは、通ってくる学習者にとっては、ボランティアが考える以上に大切なことかもしれません。中身の良し悪しばかりでなく、それ以外の魅力で選ぶことだって往々にしてあるでしょう。もし、自分たちの教え方の反省ばかりするのでは、かえって押しつけがましくなるような気もします。色々な点から見直すのも必要と思います。もちろんボランティアの教室ですから、改善するといっても限界があるのは仕方のないことです。集まってくる学習者が少なくても、それなりに十分な対応をすればそれでいいのだと思います。またそのうちに、学習者がどんどん増えてくるということもあるかもしれません。

回答2

私の教室でも、同じ問題を抱えています。解決策を探して、いろいろな方にお話を伺ったり、アドバイスを頂いて、まずは自分達の教室が学習者にとって魅力的であるかどうか、一つ一つチェックしてみました。まずは環境です。教室の会場、交通の便、駐車スペース、曜日、時間など。次に授業内容です。ボランティアの数、教え方、テキスト等。そして授業以外のイベント、セミナー等。こういった事を客観的に再確認した上で改善できることはやってみようということになりました。何分ボランティアで開催する教室ですからとても難しいのですが。

そして、広告のチラシを作り直してレストラン、スーパー、市役所などに配置させてもらったり、以前来ていて最近来なくなった学習者に呼びかけてみようと思っています。それでも集まらなかったとしてもあまり悲観的にならないつもりです。 こんなアドバイスも頂きました。「学習者が来ないってことは、本当は喜ばなきゃならないんじゃないの?つまり、困っている人が少なくなったってことでしょ。」

回答3

今まで来ていた生徒が別の教室へ行っているというのはショックですね。ただ、単純にその教室に問題があるとは言えないと思います。例えば、今までの教室では、物理的に場所や時間が合わなくなった、などの理由も考えられます。また、外国人同士のネットワークから、噂を聞いてとか、友人がいるから、かわっていったということもあると思います。ボランティアで行なっている教室には、様々な形態や規模があると思いますが、基本的に行なっていることに大差は無いと思います。ただ、そもそも、地域の日本語教室というのは、日本語教育そのものよりも、日本で生活する外国人の手助けや交流という意味のほうが大きいと思います。ですから、教え方を勉強する事ももちろん大切ですが、生徒と向き合って、教えますと言う上から下へではなく、彼らのニーズにあったやり方を、一緒に見つけだして行けば良いのではないでしょうか?

質問2

私たちの教室では、学習者数の減少が悩みです。東海ネットワークの例会に行けば、そんな悩みが解消されるいいお話が聞けるかと思っておじゃましました。何回か出席しましたが、だからといって、いい解決法が見つかるわけでもありません。会の人が何かしてくれるということもありません。ネットワークって何のためにあるんですか。

回答1

東海日本語ネットワーク(TNN)が生まれた10年以上前にも、同じ悩みを抱えている教室があったと思います。その時、考えたことは、同じ悩みを話し合える場がほしいという気持ちだったと思います。ネットワークは、いろいろな人が集う場、情報交換の場です。そういう場を提供し続けるためには、運営を担う人が必要ですが、いわゆる「組織」とは違うと思います。TNNがあって、その下に会員がいるという図式ではなく、様々な会員がTNNを構成している、支えているという図式です。ネットワークに参加して、悩みを伝えるということは、悩みを共有し、悩みを再確認したり、整理したりすることによって、悩みを抱えながらも、活動をしていく元気を得ることにつながると思います。そして、そこで悩みを共有した他の会員もまた、新しい活動の視点を得ているのです。「TNNの会員になってください」とお願いすると、「まだまだ経験が浅いので、まず、内部をしっかり固めてから」とか、「自分たちの活動だけで精一杯で、余分な力はありません」とか、おっしゃる教室がありますが、ネットワークの活動に参加することによって、それぞれの教室や個人が力を付けていくことができるのです。このことは、TNNの10年の活動を通して実証されています。

回答2

私たちの教室はTNNの活動に積極的に参加しています。例会には必ず参加し、シンポジウムには団体で押し掛けます。教室ミーティングの最初に上る項目は、TNNの活動報告で、その次が自分たちの教室運営についてなんですよ。TNNから送られてくる知らせなどはマス刷りして、全員に配付します。こうして、スタッフは、常に、TNNの例会で話し合われたことを共有しています。ボランティアの意識が教室内だけにとどまらず、広い視野を持てるようになりますので、いろんな提案が次々に出され、活動の範囲もどんどん広がってきました。スタッフ個人個人も大きく変化し、輝いています。もちろん、教室活動も充実し、これまでの人たちに加えて、新しい学習者やボランティアも増え、うれしい悲鳴を上げています。

 

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No 相談内容
07 学習者が定着しないのですが・・・

質問

私たちの教室の学習者は殆どが社会人です。勤めの関係からか欠席がちで、そのまま出てこなくなることが非常に多いです。ぜひ、続けて欲しいと思っていますもののいい手立てはなく、悩んでいます。皆さんの教室では、いかがでしょうか。

回答

どうしたら継続して教室にきてくれるか。学習者・指導者双方での課題でしょうね。私の関わっている教室は、初めてくる人のための入門クラスで、教室のサポーターとしてマンツーマンに近い形で「あいうえお」を教えています。まず相手の名前を覚え、自分の名前を覚えてもらいます。楽しく勉強してもらえるようにそれぞれカードを使ったり、世間話を交えたりしています。来てくれなくなると自分たちの教え方が悪かっただろうか?難しかったろうか?と反省しています。個人的には来てくれる学習者になるべく話し掛けるようにしています。他の教室の生徒たちにも挨拶は当然ですが、なかなか来られない友達の近況を聞いたり、その時々の話題や世間話をしたりします。

教室に行けばたくさんの友達に会える。あの先生がいる。そう思って来て貰える様になればいいなと思っています。来週も来る?! と学習者に聞かれると、自分も行かないわけにはいきません。つい当番じゃなくても来ているのを確かめたくなり、来ていれば笑顔で挨拶をし、また来てね!わかりましたか?・・・と話し掛けるようにしています。熱心に来ていた生徒が突然来なくなると、誰々さんはどうしたんでしょうね?、一緒にきていた仲間に聞き、サポーター同士で心配し合います。フレンドリーでアットホームな雰囲気が、学習者を引き付ける要素のひとつかなと思います。

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